開かない物置の恐怖

私は北海道に住んでいます。 ご存じの通り、夏は比較的涼しく過ごしやすいですが、冬は極寒です。 これは北海道あるあるだと思いますが、秋になると、ジャガイモや玉ねぎなど、選別漏れした形崩れなどの野菜が、農家さんから、色々なルートを通り、段ボール単位で大量に頂くことがあります。 それは、うれしいですが、どこに保管するのかという問題が発生します。 私たちは、今まで物置のないマンションに住んでいたので保管管理できず、冷蔵庫に入る分だけを残し、親戚や、知人へあげなければいけませんでした。 ところが、私たちは物置のある新築へ引っ越しをすることとなり、これはいい、と秋に大量に頂いた野菜を物置へと入れ、せっせと自宅と物置を往復し野菜料理を楽しんでいました。 しかし、冬の訪れにより、物置が寒さでゆがんでしまったのです。 寒さで物置がゆがむなどありえないと思っていましたが、物置のゆがみによりドアもゆがみ鍵がささらないのです。無理やり鍵穴に鍵をさそうとすると、鍵が曲がってしまうくらいです。その時私たちは、開かないのなら仕方がないと諦め、しばらく物置の事を忘れていました。 そして、春です。 徐々に気温があがり、物置のドアのゆがみもすっかり直り、鍵をあけると、恐怖の体験が待っていました。一度完全に凍り、また溶けたびちゃびちゃの野菜たちがそこにいたのです。 私たちは泣く泣く大量の野菜を捨て、びちゃびちゃに濡れた物置を掃除することになりました。 それからは、もう二度と冬に物置は使わないと誓いました。

鍵 北九州

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